夜尿症

夜尿症

「夜尿症」と「おねしょ」の違いをご存知ですか?
上記の違いは年齢がポイントになります。

「おねしょ」
乳幼児期の夜尿
「夜尿症」
5歳以降1カ月に1回以上、3カ月以上以上続く夜間就寝中に間欠的・不随意に尿を漏らすことと定義されています。
夜尿症は5歳で5人に1人(約20%)、小学校高学年/10歳でも20人に1人(約5%)ぐらいにみられます。

成長とともに膀胱が大きくなって尿をためられるようになり、さらに尿を減らすホルモンの働きが発達してくるため、就寝中にトイレに行かないようになります。

このバランスがとれていないと、夜尿が生じることになります。

治療の流れ

夜尿症の基本は生活改善に取り組むことです。
お子さんの約2〜3割が生活改善の実施のみで夜尿をしなくなる、といわれています。
ダイアリー(日誌)に生活改善の状況、毎日の夜尿の有無などを記録し生活改善に取り組みましょう。
夜尿症が2週間〜1か月にわたる生活改善の実施でよくならない場合、夜尿症のタイプに応じて、お薬による治療や夜尿アラームを用いた治療を検討します。

*生活改善のポイント

・規則正しい生活をする
不規則な生活はおねしょを悪化させます。朝食と昼食はしっかり食べましょう。夕食は少し控えめにして早めにとり、夕食から寝るまでは、可能なら2〜3時間明けましょう。

・水分の取り方に気を付ける
寝る前に水分を取り過ぎると、おねしょにつながります。ただし、水分は体にとても大切ですので朝食と昼食ではたっぷり取ってください。夕食時から就寝まではコップ1杯(200cc)程度までの水分摂取にとどめましょう。

・塩分を控える
・便秘に気を付ける
・寝る前にトイレに行く
・寝ている時の寒さ(冷え)から守る
・夜中、無理にトイレに起さない

生活改善1カ月経過した場合

生活改善を開始して1カ月経過しても改善が見られない場合は、内服治療や夜尿アラーム療法を行っていきます。
治療の原則は、「起こさず、焦らず、ほめる、比べない」です。
夜尿が続くことで、お子さんの自尊心の低下や、生活の質を悪化させる可能性がありますので、根気強く、一緒に治療していきましょう。
また、夜尿症の95%異常は、器質的疾患を有さないとされていますが、中には夜尿を来す疾患が隠れている場合もありますので、適切な検査が必要です。

受診する前に…

・夜尿頻度はどれくらいか
1週間あたりの夜尿回数を確認してみてください。

夕食の時間、寝る時間、トイレの回数、便秘の有無などを記載して、受診していただくと良いです。

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