一部の方から好評?!のリハビリ室長曲芸シリーズ第2弾。
今回は天狗の一本歯下駄に乗って武術の決め姿勢を取ってみました。
上の写真で履いている下駄のアップがこの下の写真です。
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通常は二本あるはずの下駄の歯が一本しか無い為、支持基底面が狭くとても不安定な下駄です。これは、昔の人が武術などのトレーニング用品として開発したもので現代スポーツ界でも再注目されています。
この不安定さの中に良いトレーニング方法のエッセンスがつまっています。
不安定な条件でトレーニングする事によって、下駄を脱いだ時に安定性が飛躍的に向上します。
人は立ったり走ったりする時、自らの姿勢を自動的に制御しています。その姿勢を制御する際に、3つの求心情報を統合・処理しています。その3つの情報とは視覚(目からの感覚)・前庭覚(揺れの感覚)・体性感覚(肉体からの感覚)です。
天狗の下駄はこの3つの情報の中の体性感覚(主に足関節周囲)を洗練化させる効果が期待できます。それも、様々な動作をしながらできる優れもの。
また、天狗下駄はその歯が長く重心がかなり高くなります。前庭覚等の体性感覚以外の感覚を刺激し、姿勢制御を洗練化させる作用もあるでしょう。他にも沢山効用があるのですが今回はここまでにしておきます。
不安定さを知り、それを克服すると様々な事が見えてきます。
温故知新
古きを知り新しきを知る。
とかく最新式トレーニング法に注目しがちですが、伝統的な鍛錬方法にも昔日の人々のエッセンスが詰まっている事があります。
見た目は曲芸ですが、解釈・使い方次第で科学的な裏付けができるのです(^○^)